いつくしみ深き
2019.8.29淵田美津雄さんの波乱万丈の生涯
2020.3.19先月のことですが、グレタ・トゥンベリさんという16歳の環境活動家が、国連気候行動サミットで演説を行ない、世界中の人々に衝撃を与えました。ノーベル賞候補に躍り出たとまで言われているグレタさんですが、温暖化問題に真剣に取り組もうとしない世界各国のリーダーたちに向けた彼女のスピーチの中に、かなり過激な言葉が幾つもありました。
「大絶滅を前にしているというのに、あなたたちが話すことはお金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。」
「私たちはこの場で、この瞬間から線を引きます。ここから逃れることは許しません。あなたがたがそれを好むと好まざるとにかかわらず、世界は目を覚ましており、変化はやって来ています。」
私は英語でグレタさんの話を聞いていましたが、その強い口調と挑戦的な言葉遣いにまず驚きました。「彼女の勇気に脱帽します」と絶賛する人もいましたが、私の頭の中に、幾つもの「?」が出て来ました。
一つは、16歳の少女が環境問題の専門家になり得るのか、ということです。彼女が科学者となって長年にわたり研究を重ねて、自分の博士論文を発表したのであれば、それなりの説得力があったかも知れませんが、明らかに、グレタさんの語ることは、自ら得た知識や経験によるものではなく、大人から植え付けられた哲学です。
もう一つの疑問点は、反対の見解を持つ人々に対して、どうして対話を呼びかけるのではなく、一方的に「悪人」というレッテルを貼るのか、ということです。「あなたがたを許さない」とか、「あなたがたがそれを好むと好まざるとにかかわらず、私たちは世界を変革していくのだ」、という言葉に強い敵対心や憎しみ、また一種の怖さを感じます。グレタさんの主張では、地球を危機から救うために世界の資本主義制度を壊しても良いということになっています。それは言うまでもなく、全世界の人々の生活に大きな変化をもたらす訳ですが、皆の合意を得て行なわれるのではなく、「それを好むと好まざるとにかかわらず」、強制的にやることになります。とにかく、二酸化炭素を放出するものはすべて禁止され、飛行機も、ガソリンを使う自動車やその他の機械も駄目だということになります。牛肉を食べることもできなくなります。
ちなみに、地球温暖化による危機を訴える人がいる一方で、何の問題もないと主張する科学者もいます。地球は昔から寒冷期と温暖期を繰り返しており、最近の温暖化傾向も自然のサイクルだと、彼らは言っています。二酸化炭素は植物に必要なものだから、増えた方がむしろ環境に良いと話す科学者もいるのですが、いずれにしても、私は、グレタさんが洗脳されて、利用されているという疑いが拭えません。実際に、地球温暖化による絶滅の危機を訴えることによって、人々の恐怖心を煽る政治家たちが各国にいます。彼らの究極的な狙いは、権力の取得です。もし、グレタさんが政治家たちに利用されているのであれば、それこそ「許されない」ことです。鬼のような形相で、言葉を吐き捨てるグレタさんは、本当に可哀想です。一日も早く、周りの人間のコントロールから解放されて、独自の信念を持つようになり、神から与えられた賜物を活かしながら、自分らしい生き方を見付けることを願ってやみません。
「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。 —主の御告げ— それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ」(エレミヤ書29章11節)