ある女性の夢
2018.11.6日本も人種のるつぼに?
2019.2.9世界中で周知されているように、クリスマスには様々な伝統行事が付き物です。1000年以上も前から続いているものもあるし、また比較的最近、生まれて来たものもありますが、クリスマス・ケーキ、クリスマス・ツリー、プレゼント交換などはすべて、人々のクリスマスに対する気持ちや信仰を現すものです。
今から1700年ほど前の話になりますが、小アジアのパタラという町の裕福な家庭に、ニコラオスという男の子が生まれました。ニコラオスは幼い時から教会に通い、信仰を持ちました。また、成人してから神学校に入り、司祭になります。ある朝、教会で一生懸命に祈っている男の人の姿が目に入りました。その人はかつて豪商であったけれども、財産を失い貧しくなったために3人の娘を売春させなければならないところで、「神様、哀れんでください」と祈っていました。その祈りを聞いて、ニコラオスは一つの計画を立てました。若い時に父親を亡くしたニコラオスは、金貨の入った三つの袋を父親から譲り受けていました。生活に困らないようにということで、父親からもらったものですが、今までそれを使わないで、家の屋根裏部屋に保管していました。その金貨の入った袋を一つ、貧しい男の人の家に届けてあげようと、ニコラオスは考えたのです。夜中に窓から密かに、金貨を投げ入れました。煙突から投げ入れたという説もありますが、助かった男性は持参金を用意して長女のために正式な結婚式を行なうことができました。自分の贈り物を受け取って、男性とその家族が喜んでいる姿を見て、ニコラオスはもう一回、気付かれないように、そっと金貨の入った袋を届けました。そのお金を使って、男性は二女を嫁に行かせることができました。しかし、まだ三女が残っています。三女のためにも奇跡が起きることを期待しながら、男性は贈り主の正体を知ろうと思って、毎晩、見張っていました。すると、ある夜、ニコラオスが窓から袋を投げ入れるのを見たのです。男性はニコラオスの足元にひれ伏して、涙を流しながら感謝した、ということです。サンタクロースはこの伝承から発展したと言われています。
クリスマスは、自分の損得を考えずに、惜しみなく人に与える季節であると、昔から人々の間で認識されています。父なる神から最高の贈り物である救い主イエス・キリストが誕生されたことを覚えて、その大きな愛に感謝する時に、誰でも不思議なほどに優しい気持ちになったり、人のために何ができるかということを考えたりします。幼いキリストを拝みにやって来た博士たちも、そのように心を動かされたようです。
「その星を見て、彼らはこの上もなく喜んだ。そしてその家にはいって、母マリヤとともにおられる幼子を見、ひれ伏して拝んだ。そして、宝の箱をあけて、黄金、乳香、没薬を贈り物としてささげた」(マタイによる福音書2章10-11節)
三人の博士たちは、救い主に出会った時に、贈り物をささげずにはいられませんでした。それだけ感動して、心が変えられたからです。
今も、イエス・キリストを信じる者は、自分のために奪うことを止めて、人に与える人間に生まれ変わります。彼らは、次のキリストの言葉をモットーにして、生きるようになるのです。
「あなたがたは、ただで受けたのだから、ただで与えなさい」(マタイによる福音書10章8節)