昨年末のことですが、数年前から恐れていたことが、実際に起こってしまいました。私が勤めているブライダル事務所から、性同一性障害者の結婚式を依頼されました。必ずいつか、同性愛者同士の結婚式か、性同一性障害者の結婚式をやってくれと言われることが分かっていたのですが、やはり、大きなショックでした。ちなみに、解雇されることを覚悟の上で断ることにしました。
性同一性障害というのは、生まれた時に割り当てられた性別とは異なる性の自己意識を持つという病気です。つまり、「体は男性だけど自分は女性」、あるいは、「体は女性だけど自分は男性」という認識を持つ人が、「性同一性障害者」と診断される訳です。なぜそうなってしまうのか、まだ解明されていませんが、胎児期における脳の発達が影響しているのではないかという説があります。
治療法として、まず、精神療法(カウンセリング)があります。カウンセリングによって、ありのままの自分を受け入れることができるように導き、少しずつ患者の自己嫌悪感を軽減させようとしますが、性同一性障害問題の世界的権威として知られるケネス・ザッカ―氏は、1975年から40年間、560人の性同一性障害者にカウンセリングをし、男性の98%、女性の80%に大きな成果が出ています。しかし、その膨大な科学的データーがあるにもかかわらず、米国のほとんどの州において、カウンセリングによる治療法が法律で禁じられています。「あくまでも本人の気持ちを尊重すべきだ」ということになっているようです。そこで行なわれるのは、ホルモン療法や、外科的療法(性別適合手術)です。しかし、言うまでもなく、現代の医学では、男として生まれた人間を女に作り変えることもできないし、女を男に作り変えることもできません。手術によって外見を多少、変えることができても、本人のDNAは変わらないのです。遺伝情報のうち、性別の決定に関わる情報を持つ性染色体にはX型とY型の二種類があり、「XY」のペアで男性、「XX」では女性になります。この「XX」と「XY」はスタンプのようなもので、体内のすべての細胞に押されています。当然のことながら、体にメスを入れても、DNAを変えることは不可能です。しかし、それにもかかわらず、米国やヨーロッパにおいて、科学的・物理的事実よりも、本人の気持ちが絶対的なものとされています。誰でも、自分の気持ち次第で、性別を自由に変えることができる時代になっています。しかし、性別を変えた本人は結局のところ、人をごまかし、また自分をごまかしながら生きて行くことになるので、決して根本的な解決には至りません。事実、性同一性障害者は、性別適合手術を受けても、自殺するケースが多くあるのです。
旧約聖書にエレミヤという預言者が登場しますが、神からの召命を受けた時に、次のような励ましの言葉が与えられました。
わたしは、あなたを胎内に形造る前から、あなたを知り、あなたが腹から出る前から、あなたを聖別し、あなたを国々の預言者と定めていた
(エレミヤ書1章5節)
ここにあるように、私たち人間は神のご計画に従って、神に形造られた者です。男として造られた者は、男として果たすべき使命が与えられています。女として造られた者は、女として専念すべき仕事を神から託されています。最も大事なのは、そのままの自分を大切な存在として受け入れ、与えられたものを有効に用いることです。これができれば、充実した、幸せな人生への道が開かれるのです。