島田伸介の電撃引退発表に思うこと
2012.2.16聖書的な愛
2012.6.21去る1月13日に、イタリアの大型客船コスタ・コンコルディア号がティレ二ア海で座礁して転覆しました。単なる偶然でしょうが、今年はタイタニック号が沈没してから百周年に当たります。また、興味深いことに、コスタ・コンコルディア号には、タイタニック号の犠牲者の親族が乗っていたようです。今、船長の事故後の行動が事故調査の大きなポイントになっています。特に、誰よりも早く救命ボートに乗ったことが問題視されていますが、本人は記者の質問に対して、「たまたま転んで、救命ボートに落ちた」と釈明しています。しかし、どうして彼のノート型パソコンが一緒に、救命ボートに転げ落ちたのだろうと、イタリアのマスコミが皮肉ったことを言っています。
ちなみに、タイタニック号の船長は、最後まで救助活動を指示してから、船と一緒に沈む運命を自ら選びました。コスタ・コンコルディア号の船長と、余りにも対照的です。また、この間ある本で知ったことですが、タイタニックには、もう一人、勇気ある行動を取った人がいました。ジョン・ハーパーというスコットランド人の牧師で、「タイタニック号の最後のヒーロー」と呼ばれています。
ハーパー牧師は、ロンドンなどで開拓伝道をして、幾つもの教会を立ち上げました。また、伝道者としても各地を回って、素晴らしいリバイバルをもたらしました。彼は1912年に、アメリカのシカゴ市にあるムーディー教会の特伝に招かれて、そこに行く途中で事故に遭った訳ですが、タイタニックが氷山にぶつかって、船内が段々とパニックに陥った時に、ハーパーさんは乗客に向かって、こう叫びました。
「女性、子供、そしてまだ救われていない人々をまず先に、救命ボートに乗せなさい。」
次に、彼は自分の救命胴衣を、何も持っていない人に渡しました。船が沈んで、救命ボートに乗れなかった人々が冷たい海に放り出された後でも、彼は証しを続けました。板に捕まって必死に泳ごうとしている男の人に対して、「あなたは救われていますか」と尋ねました。男は、「ノー」と答えました。すると、ハーパーさんは、「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」という聖書のみことばを彼に語りました。すると、彼は海の中で主を信じたのです。そして、結局、ハーパーさんは39歳という若さで死にますが、板に捕まりながら主を告白した男性は救助されたのです。後に、彼はカナダの教会で、「私はジョン・ハーパー先生の最後の回心者だ」と証しをしています。
ジョン・ハーパーがタイタニック号と共に海に沈んで百年たちますが、今現在、彼と同じような生き方ができる人が、果たして、どれくらいいるのでしょうか。ハーパー牧師の生き方は、まさにイエス・キリストの生き方と同じでした。
「人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません」(ヨハネの福音書15章13節)。
キリストのような犠牲的な愛を実践するのは決して容易なことではありませんが、自分自身の罪のためにキリストが十字架にかかって死んでくださったことを覚える時、心が満たされて、人の幸せを優先的に考える力がわいてきます。小さなことでも構いません。人のために犠牲を払ってみてください。きっと素晴らしいことが起こるでしょう。