2010年は、私にとっては、健康の大切さを考えさせられる一年でした。人間ドックで腎臓にも、胃にも異常があるということで、精密検査を受けるように言われました。何度、病院に足を運んだか分からないくらい、とにかく、よくお医者さんのお世話になる年でした。また、毎日、生かされていることを、以前よりも感謝するようになったと思います。
先日、NHKの番組で野沢耕二さんという73歳の男性のことを紹介していました。野沢さんは27年前に病魔に侵され、体が不自由になってしまいました。そのことでとても悩まれたそうです。また、50歳まで生きられるかどうか分からないという状況の中で、人生の意味を深く考えたそうです。そこで、とにかく一日一日を大切に生きようと決心されて、絵日記をつけることにしたということです。27年間、毎日欠かさずに、絵を描いておられます。第3集をめくると、1987年3月4日に書いた、おにぎりの絵があり、こう書かれています。
「まだ起き上がれない母のために、藤田さんが何彼と心遣いくださり、感謝の気持ちでいっぱい。」
また、4月12日の絵として、エビネが描かれて、野沢さんはこうコメントしています。
「昨年5月に、橋之口さんよりいただいたもの。今年も、すくすく伸び間もなく咲きそう。」
この絵日記を読んで、野沢さんが本当に一日一日を大事にしていることがよく分かります。また、NHKの番組の中で、車いすに乗ってスーパーに出かける場面を映していましたが、野菜を手にとって、「どこで作られている野菜ですか」と必ず、聞きます。そして、「どんな方が作っているのだろう。きっと大変な苦労をされているだろうね」ということを言われるのです。なかなか立派な生き方だと思います。また、聖書的な生き方だとも言えましょう。
「それゆえ、私たちに自分の日を正しく数えることを教えてください。そうして私たちに知恵の心を得させてください。」(詩篇90:12)
普通の人間は、自分の年を数えますが、詩篇の作者は、自分の日を数えようとしています。それはつまり、毎日、与えられた時間や機会をフルに活かして、その日その日の出会いを大切にし、天から注がれた恵みに感謝する生き方です。
来年も、毎朝、次のような祈りをもって、一日のスタートを切りたいと考えています。
「天の父なる神様。あなたが設けられたこの日を、心から感謝します。今日も生かされていることをありがとうございます。今日という日を大切にし、今日出会うすべての人々にあなたの愛を分かち合い、あなたから預かった才能を用い、あなたのみこころを行なうことができますように、守ってください。」