1990年に「ハブル」というカメラを備えた人工衛星が宇宙に飛び出し、17年間、数多くの写真を地球に送り続けて来ました。先日、天文学者によってそのトップ・テンが選ばれましたが、一位になった写真は、「ソムブレーロ銀河系」の写真です(ソムブレーロとは、スペインやメキシコなどで用いられる広ぶちのフェルト帽)。この銀河系は地球から2800万光年、離れていますが、直系は五万光年で、何とその中に800億個もの太陽が入っているそうです。
次に選ばれたのは、「アリ星雲」と呼ばれる星雲の写真です。地球と同じ銀河系にありますが、地球から約6000光年、離れています。
第三位は、「エスキモー星雲」の写真です。毛皮のフードを着たエスキモー人に似ているということから、そのような名前が付けられましたが、実際には、滅亡しつつある惑星から散る彗星の様子を捕らえた写真です。
これらの写真を見ていると、旧約聖書の詩篇19篇のみことばを思わずにはいられません。
「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる」(1節)。
確かに、宇宙を創造された神のみわざを見る時に、私たちは神の驚くべき力や知恵に感動を覚えます。「神は素晴らしい!」と、神をほめたたえずにはいられないのです。
聖書は、この他にも、神の栄光を現すものがあると述べています。それは、私たち人間です。
「わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、これを形造り、これを造った」(イザヤ書43章7節)。
この「わたしの栄光のために」という言葉の中に、実に深い真理があります。人間は、神の愛や知恵や力を現すべき、神の作品です(エペソ書2章10節参照)。つまり、人間の存在そのものが、「神は素晴らしい!」という賛美を導き出すはずでした。
しかし、神に背き、神から離れた人類は、本来、創造された目的を忘れ、自己中心的になり、空しい人生を歩むようになってしまいました。言うならば、モナ・リサという名画にカバーをかけてしまったという状態かも知れませんが、神のもとに立ち返り、「あなたの栄光のために用いてください。あなたにも、人にも仕える者にしてください」と祈るなら、神の作品として、再び、輝くようになります。