原爆よりも恐ろしいもの
2012.2.16I'm ok,you're ok
2012.2.16 アメリカの人気漫画で、『スヌーピーとその仲間たち』というのがあります。その主人公はチャーリー・ブラウンという男の子ですが、ドジが多くて、思うように行かないことばかりが起こる子です。どうやら、漫画の人気の秘訣がここにあるようです。つまり、読者の多くは、チャーリー・ブラウンというキャラクターに自分を見て、慰めを得るのです。 数年前のことですが、我が家の子供たちが通 っているアメリカン・スクールで、『スヌーピとその仲間たち』の劇が行われ、長男のティムが主役のチャーリー・ブラウンを演じました。台詞も多く、また独唱しなければならない場面 も幾つもあり、何カ月もの間、厳しい練習が続きましたが、どうにか、最初の公演に間に合いました。ところが、その前の日に、ティムが学校で、耐え難い胸の痛みを感じました。息ができないほど苦しくなったようですが、病院でレントゲンを取ったら、右の肺に穴が空いていることが分かりました。そこまでチャーリー・ブラウンに成り切る必要はないと思ったのですが、肺に穴が空いたままでは歌が歌えないので、 私たちも、また学校関係者の方々も、必死で祈りました。すると、初日に多少の痛みはあったものの、日に日に状態が良くなり、結局、穴は自然にふさがり、3週間で治ったのですが、四日間続いた劇の大役を果 たすことができました。観客の一人のプロの俳優にもほめられるほどでした。
誰でも、長い人生の中で、自分がチャーリー・ブラウンになってしまったような気持ちを味わうことがあるのではないでしょうか。「どうして私だけがこんな苦しい思いをしなければならないのか」と考えたり、つぶやいたりします。何もかも絶望的に見えてしまい、人生を投げ出したくなることもあるでしょう。自分の存在には何の意味も価値もないと感じることさえあるかも知れません。「チャーリー・ブラウン症候群」とでも言うのでしょうか。
しかし、聖書の中には、「チャーリー・ブラウン症候群」で悩む人々にぴったりの箇所があります。ローマ人への手紙8章28節です。
「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」
ここに、二つの大切な真理が書かれています。まず、神を愛する人々のためには、特別 の計画があるということです。次に、その計画の実現のために、神がすべてのことを働かせて、益としてくださるということです。つまり、神は私たちの身に起こるすべてのことを究極的に私たちの利益と祝福に変えてくださるのです。たとえ、チャーリー・ブラウンのようなドジをしてしまったとしても、あるいは、思うように行かないことばかりが起こっても、神の御手の中で、そのすべてが活かされ、用いられ、最終的には祝福に変えられるのです。ローマ書の約束を信じるなら、チャーリー・ブラウンのような人間でも、希望をもって、雄々しく生きていくことができるのです。