ラスベガスでギャンブルに明け暮れる文鮮明
2012.2.16エホバの証人の元長老がカルト教祖に?
2012.6.21 先月、イギリスのBBCが「モルモン教の大統領候補者」というドキュメンタリー番組を作成しました。アメリカ共和党の大統領候補者となることが確実と見られるミット・ロムニー氏にスポットを当てながら、ベールに包まれたモルモン教会の実態に迫ります。現在、1,400万人もの信者と、巨大な富(約24兆円と推測される)を有する当教会は、テレビのコマーシャルを利用して、”I am a Mormon”(「私はモルモン教徒です」)というキャンペーンを行なっています。コマーシャルに登場する男女たちは、「家族を大切にする普通の人間」というイメージを演じたり、「人々がキリストを身近に感じられるようになってほしい」とクリスチャンらしい言葉を述べたりします。
しかし、ドキュメンタリーの中に、正反対の証言をする元モルモン教徒も出ており、「モルモン教はカルトだ」と明言して、その具体的な根拠も挙げています。弁護士で、教会を脱会した一人の女性は、発想の自由がないことと、奇妙な行動パターンを問題にしていました。その「奇妙な行動」の一つは、「魔法の下着」の着用です。神殿でもらうこの下着は、災いから守ってくれる力があるとされているもので、モルモン教徒はそれを決して身から離しません。別の男性は、教会のカルト的体質を示すものとして、指導者への忠誠心、細かいルールの厳守、脱会した信者に対する徹底的な無視を指摘しています。「モルモン教会は、元信者の家族、社会的地位、そして仕事までも奪う」のだそうです。
更に、ドキュメンタリーの中で紹介されたのは、「教会員を強化する委員会」の存在です。表向き、一夫多妻を実践する分派グループの悪影響から信徒を守ることが主な仕事とされていますが、実際は、教会から排斥された人や、教会に反対活動を行なっている団体を監視するグループです。教会の脱会者を懲らしめるために、19世紀にジョセフ・スミスによって設立された「ダンの部族の者たち」、あるいは「滅ぼす天使団」と呼ばれた集団の名残と見ている人もいます。いずれにしても、「教会員を強化する委員会」の中には、元CIA(米国中央情報局)や元FBI(連邦捜査局)の人間も多く入っており、彼らの「スパイ活動」の対象になった元モルモン教徒が何人も出て来ます。その一人は、ミット・ロムニーの従兄に当たる男性です。ドキュメンタリーの中で、彼は次のように証言しています。
「私が教会を出たのは、その欺瞞的な体質に気付いたからです。指導層は、信者を騙し、またコントロールするために、教会の歴史に関する不都合な事実を故意に隠蔽しています。そのことを知って、教会から去って以来、何度も尾行された経験があります。」
一夫多妻者をひいおじいさんに持つ当のミット・ロムニー氏は、演説の中で自分がモルモン教徒であると明言することを避けていますが、1960年代、フランスで二年半、宣教活動に携わっています。また、1980年代はマサチューセッツ州ボストン市の教会で5年間、4,000人もの教会員の監督として働いた経験もあります。また、彼が今まで、モルモン教会に対して2億4000万円ほどの献金をしたと言われています。このように、熱心なモルモン教徒であるミット・ロムニー氏ですが、教会に対して疑問を持つ人が多いことを知っているので、「モルモン教」という言葉を口にすることはほとんどなく、「イエス・キリストに対する献身的な思い」というような表現を用いて、強い政治的影響力を持つ福音派のクリスチャンに自分の信仰をアピールします。
しかし、ロムニー氏の演説や教会のコマーシャル・キャンペーンに見られる「正統的キリスト教」のアピールは、巧妙なプロパガンダであり、嘘です。モルモン教の基本教理は、「人間が神になれる」ということです。つまり、父なる神も、イエス・キリストもかつては、普通の人間であり、自らの努力によって昇栄(進化)し、神になったという話です。また、同じ過程をたどった神々が数え切れないほど存在する、とのことです。
こうしてモルモン教会(正式名:「末日聖徒イエス・キリスト教会」)は、聖書から逸脱しており、到底、「キリスト教」とは呼べない宗教です。ミット・ロムニー氏が共和党の大統領候補者として選ばれることが確実となった今、モルモン教に対する正しい認識を持つことに重要な意味があります。