キリスト教界のカルト化問題を取り上げるFEBC
2012.2.16ベルギーの最高裁がものみの塔の差別を認める
2012.2.162009年3月15日の『日本経済新聞』の記事によると、2008年の夏、消化管内の大量出血で重体となった1歳男児への輸血を、エホバの証人の両親が拒んだそうです。これを受けて、児童相談所が、親権を一時的に停止するように家庭裁判所に求めたところ、家庭裁判所はわずか半日でその保全処分請求を認め、男児が救命された、ということです。両親は、「緊急輸血が必要である」と主治医からの説明を受けても、「宗教上の理由で」として、輸血を拒否していました。その「宗教上の理由」とは、「輸血は神の律法に反する。輸血を受ける(受けさせる)者は、神の楽園に入れなくなる」という、ものみの塔聖書冊子協会の教理のことです。病院側は、日本小児科学会などの関連学会が2008年2月に合同でまとめた指針に従って、「生命の危険がある」と児童相談所に通告しました。その通告を受けた児童相談所は、児童虐待の一種である「医療ネグレクト」(医療の責任放棄)と判断し、すぐに必要書類をそろえて、両親の親権喪失宣告を申し立てましたが、家庭裁判所は異例の早さで、親の意思より子供の福祉が優先されるべきである、との判断を示しました。病院はこれを受けて、親権代行者の同意を得た上で治療を実施した、とのことです。