オウム観察処分更新
2018.3.14モルモン教の札幌神殿完成
2018.11.6レーダーに感知されないように低飛行を続ける飛行機のように、20年前から少しずつ、密かに日本のキリスト教会に入り込もうとしているムーブメント(運動)があります。「新しい使徒的宗教改革」(通称:NAR)です。
NARは、フラー神学校の教授であり、「教会成長」の研究家であったC・ピーター・ワグナー氏が、1994年に世界のキリスト教会の間で勢いを増す新しい流れを表すために提唱した名前です。「使徒的」は、神によって起こされた使徒たちの指導の下に、聖書の「使徒の働き」に書かれているような神のみわざの再現を表しています。「宗教改革」は、500年前に起こったプロテスタントの宗教改革に匹敵するほどの変化を指しています。
NARは教団ではなく、組織でもありません。統一された教理体系もありません。あくまでも、ワグナー氏の考えに賛同し、自分は使徒だと名乗り、その使徒職が認められた人々を先頭に出来たネットワークです。一つの組織にならないのは、それなりのメリットがあるからです。多少変わった伝道法を用いても、聖書から逸脱した新しい教理を持ち出しても、とやかく言われません。自由に行動できるし、献金も思いのままに使えます。一旦、使徒の仲間入りを果たせば、自分の権威が無限に拡大し、サポーターの数も急増するのです。
NARのネットワークにおいて、「七つの山の制覇」が一つのキーワードになっています。その「七つの山」とは、宗教界、家庭、教育界、政界、マスメディア、芸術界(エンターテインメントの世界)、ビジネス界のことです。つまり、この七つの分野にクリスチャンが侵入し、影響を及ぼし、最後に支配するようになれば、人間社会が変わるだけでなく、大勢の人々が救われるということです。
今、NARに関して、アメリカのカルト問題の専門家たちの間で問題視されているのは、行き過ぎた権威主義、聖書の軽視、極端な経験主義・神秘主義、偽預言による被害、「支配神学」、既成教会の否定などです。既に、NARの独特なビジョンや聖書理解を提唱する書物が多数、和訳されています。『ファイナルクエスト』(リック・ジョイナー著)、『神の声』(シンディー・ジェコブス著)、『天が地に侵入するとき』(ビル・ジョンソン著)、『地域を支配する霊』(C・ピーター・ワグナー著)などです。また、既にNARの中心的人物たちが、日本でセミナーを開催していますが、日本の教会への影響が心配されます。