日本キリスト教異端相談所 開設
2012.2.16『霊の戦い――虚構と真実』出版へ
2012.2.16 今年の10月に、エホバの証人問題で悩む家族が、組織に対して質問状を出しました。家族は特に、1975年の秋にハルマゲドンが来るという預言が外れたことに対する説明を組織に求めました。ものみの塔の預言を真面目に信じた人々は、家や財産を処分してその代金を組織に寄付したり、大学に進学しなかったり、就職しなかったり、子供をつくることを諦めたりしました。組織の雑誌や書籍の中に、そのような生き方を明白に推奨する記事も多数ありましたが、預言が不発に終わった時点で、ものみの塔は詐欺罪を犯したことになるので、それなりの悔い改め(謝罪、弁償)が当然ではないか、と家族は組織に尋ねています。この問いに対して、組織は10月22日付の手紙の中で、こう答えています。
「時代の重要性に注意を促す言葉がしばしば語られました。それに呼応して、生き方を見つめなおし、生活を調整した人々は多くいます。そのような調整の結果として何らかのマイナスを被ったと感じるとすれば、それは自分個人の益を中心に考えているためであると言えるでしょう。はるかに重要な創造者エホバ神のご意志と目的を中心に考える人は、イエス・キリストの述べた『終わりの時』の意味を考え、現存する体制の終わりが1975年に生じなくても、このことがむしろ創造者に対する専心的献身の思いを深める機会となったことを歓びとしています。」
これは、ものみの塔の恐ろしいカルト性をはっきりと証明する文章です。自分たちの非を認めず、苦情を言う被害者のことを「自己中心的な人間」と罵り、詐欺的行為をしているのに「私たちこそ献身的にエホバのご意志を行なっている」と主張してはばからない、典型的なカルト体質が顕著に現れていると言わざるを得ないでしょう。