モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)は、「我々もキリスト教の一派である」というイメージを全面 的に打ち出そうとしているようです。その教理体系は変わっておらず、依然として聖書から逸脱したものですが、さほど一般 のキリスト教会と違わないという印象を与えるために、キリスト教と同じ神学用語を用いたり、聖書の無料配布をしたり、モルモン教の過去の不名誉な歴史的事実を伏せたりしています。その歴史的事実とは、例えば、一夫多妻を行っていたことや、黒人は神に呪われているという差別 的な教えを説いていたことなどです。一九五七年版の『モルモン経』には、レーマン人(皮膚の黒い民)がやがて「皮膚の色が白くて喜ばしい民になる」という有名な予言がありますが、一九九五年の改訂版では、「彼らは清い、喜ばしい民になる」となっています( ニーファイ三〇章六節)。ちなみに、この変更に関する注意書等は、皆無です。こうして、モルモン教は、キリスト教のイメージを保つために、組織の実態を隠している訳ですが、その異端性・カルト性を示す事実が漏 れることもあります。例えば、最近、明るみに出た情報として、一九九三年にモルモン教の神殿内で、アドルフ・ヒトラーのための身代わりの洗礼式が行われたそうです。しかも、ヒトラーとその愛人エバ・ブラウンを永遠に結ぶための結婚式も行われたということです。