「一日一絵」という生き方
2012.2.16危機の時に立ち上がる人々
2012.2.16今年、各地で「タイガーマスク現象」が起きました。「タイガーマスク」、または「伊達直人」と名乗る人々が、児童養護施設や孤児院にランドセルを送ったり、スーパーの寄付箱に10万円の寄付金を入れたりと、北海道から沖縄まで、実に100件以上の寄贈や寄付が行なわれました。
元々、「タイガーマスク」というのは、1968年から1971年にかけて、週刊誌に掲載された漫画です。主人公は伊達直人という人ですが、孤児院「ちびっこハウス」にいた彼は、喧嘩している所で悪役レスラー養成機関「虎の穴」にスカウトされます。「虎の穴」での殺人トレーニングをこなす日々の中で、自分と同じような生い立ちを持つ孤児たちに、同じような苦しみを味あわせたくないという思いを抱くようになり、「虎の穴」を卒業して、「タイガーマスク」としてプロデビューを果たした後、収入の一部を孤児院に寄付するようになります。当初は、虎の穴へのファイトマネーの半分という上納金は支払った上で、自分の手取り分の範囲内での援助を考えていましたが、自分の出身施設である「ちびっこハウス」の窮状を知り、「虎の穴」へ納める分まで寄付せざるを得なくなります。「虎の穴」は、タイガーを裏切り者と見なし、タイガーを倒すための刺客を次々と送って来ます。どうせ裏切り者となるなら、せめて後輩となる「ちびっこハウス」の子供たちに恥じない戦いをしたいと、正統派スタイルへ転向します。当初は、身に着いた悪役ファイトが抜け切れず、また正攻法では大物レスラーを相手に通用しないので、苦戦の連続でしたが、徐々に力が付いて、やがてドリ―・ファンク・ジュニアとの世界タイトルマッチに臨みます。結局、相手の反則負けでタイトルを奪取できませんでした。そこで、再戦が計画されますが、その再戦の当日、タイガーは車にひかれそうになった子供をかばって死亡する、というストーリーです。
しかし、どうして今頃、「伊達直人」と名乗る人が沢山、現れて、孤児たちのための寄付をするようになっているのか、不思議でなりません。最初の人は、純粋な愛の心でやっていると思います。後から出て来た人はどうか分かりませんが、この「タイガーマスク現象」を見て、感動している人もかなりいるようです。この間のテレビで、「世の中は捨てたもんじゃない」と言っている人もいました。いずれにしても、漫画、またはアニメに登場する「タイガーマスク」は、子供の幸せのために自分を犠牲にした人です。「タイガーマスク・ブーム」が起こったのは、人々がタイガーマスクのような人間に憧れているからであり、また彼のような人間が現われることを期待しているからだと言えるかも知れません。
しかし、考えてみると、タイガーとイエス様との共通点があります。イエス・キリストも、父なる神から離れて霊的な孤児であった私たちを救うために、自ら命を捨ててくださいました。
「わたしは、良い牧者です。良い牧者は羊のためにいのちを捨てます」(ヨハネ10:11)
「あなたがたは、私たちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました。それは、あなたがたが、キリストの貧しさによって富む者となるためです」(2コリント8:9)。
誰であっても、イエス・キリストを受け入れるなら、この驚くべき愛を経験できます。また、同じ愛を実践する者に変えられるのです。
「ですから、愛されている子どもらしく、神にならう者となりなさい。また、愛のうちに歩みなさい」(エペソ5:1)。
こうして、私たち一人一人が、小さなタイガーマスクになるように、神に召されていると言えます。あなたは最近、どなたかに愛を示していますか。