淵田美津雄さんの波乱万丈の生涯
2020.3.19天に財を積んだ経済人
2020.7.18百年ほど前の、米国アラバマ州の農民たちの話ですが、この地域では、綿花を栽培し、年に一度だけ収穫していました。それが、長年にわたるここでの習慣でした。出来るだけ広い面積を耕し、そこで綿花を栽培する。来る年も来る年も、その繰り返しでした。ところがある年、恐ろしいことが起こりました。綿花を食い荒らすコクゾウムシの被害で、その年の綿花が壊滅状態になってしまったのです。
翌年、農夫たちは自宅を抵当に入れ、豊作を期待しながら再び綿花栽培に取り組みました。しかし、その年も、あの害虫が綿花に取り付き、甚大な被害をもたらしました。3年目になって、農夫たちは藁をもつかむ思いで、新しい作物を実験的に植えてみようと相談しました。採用されたのは、ピーナツでした。その年、ピーナツは大豊作で、しかも綿花よりも高く売れました。その結果、実験に参加した農夫たちは、過去2年間の借金をすべて返済することができたのです。それから彼らは、毎年ピーナツを栽培するようになり、それがその地区全体に広がりました。ピーナツは莫大な富を彼らにもたらした訳です。
面白いのは、その後、その農夫たちが何をしたかです。彼らは、手に入れた富の一部を差し出し、町の中央広場に記念碑を建てました。何とそれは、コクゾウムシをかたどった像でした。コクゾウムシの被害に会わなければ、ピーナツ栽培を始めることはなかったのです。こうして、農夫たちは聖書の中にある一つの重要な真理を体験しました。それは、どんな災難でも、神のご計画の中で祝福に変えられ得るということです。
「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています」(ローマ人への手紙 8章28節)
今も、世界中で猛威をふるい続ける新型コロナウイルス。亡くなっている方、長い闘病生活や隔離生活を余儀なくされている方、多大な経済的ダメージを受けている方、外出を自粛して孤独な毎日を送っている方が増える一方で、誰もが不安や戸惑いを感じていると思います。この災難に何の意味があるのか、いつ収束するのか、いつになったら普通の生活に戻れるのかなど、気になることや答えてほしい疑問が尽きませんが、一つ、確かに言えることは、この危機的状況は永遠に続くものではない、ということです。必ず、長いトンネルの出口が見えて来ます。
もう一つ、言えることは、危機的状況だからこそ学べることや成長できることがある、ということです。ここに、神の目的があるかも知れません。私たちは普段、惰性的に生活している中で、自分の生き方を振り返ったり、人生の優先順位を考えたり、死の問題に真正面から向き合ったりすることの少ない者です。しかし、災難が訪れると、自分にとって何が一番、重要なのかという自己点検をさせられるのです。こうして、「災難はチャンスだ」と肯定的に考えることができれば、いくらか、暗い気持ちが払拭されるのではないでしょうか。
いずれにしても、最終的に、災難が祝福に変えられるように、祈って行きたいと思います。いつの日か、あなたも、「辛かったけど、守られた」とか、「多くのことを学んだ」とか、「信仰が深まった」とか、「家族の絆が強まった」とかいうような話ができるようになりますように。