ブームを巻き起こす「アドラー心理学」
2016.10.27信じる者の力
2017.5.7 今は「飽食の時代」と言われています。街の中を歩くと、クレープ、牛丼、ハンバーガー、ラーメン、たこ焼きなど、あらゆる食べ物の店が立ち並んでいます。食糧輸入大国の日本では、どこの国の食料品でも手に入ります。それは素晴らしいことですが、その一方で、とても憂慮するべき問題も起きています。ホテルのパーティーや旅館の宴会場などでは、大量の食品が食べ残され、廃棄物として処理されています。家庭でも買い過ぎや料理の作り過ぎで廃棄されている食品も少なくありません。日本で一日に捨てられる賞味期限切れの食料は3000万食です。年間、1700万トンの量になります。
しかし、飽食の日本から世界に目を向けると、全く違う世界が見えて来ます。国連食糧農業機関の報告によると、世界人口の8人に1人に当たる8億6800万人が餓死人口であり、慢性的な栄養失調状態にあるそうです。毎日、餓死する人は4万人にのぼります。毎日、3食を食べている人は世界人口の2割に過ぎません。このような現実を直視すると、日本で大量の食べ物が捨てられていることは非常に罪深いことであると、言わざるを得ません。インドのスラム街で1か月を過ごせば、あるいはタイムマシンに乗って70年前の日本に戻ることができたなら、食べ物を無駄にしないことの大切さを学ぶことができるかも知れません。あるいは、1週間の断食をすれば、食べ物のありがたさが分かるかも知れません。ちなみに、学校給食のレベルに文句を言う小学生がいると聞いています。
聖書は、感謝することの重要性を強調すると共に、感謝する心を失った人々に対して、厳しい警告を発しています。
「神の、目に見えない本性、すなわち神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められるのであって、彼らに弁解の余地はないのです。というのは、彼らは、神を知っていながら、その神を神としてあがめず、感謝もせず、かえってその思いはむなしくなり、その無知な心は暗くなったからです。彼らは、自分では知者であると言いながら、愚かな者となり、不滅の神の御栄を、滅ぶべき人間や、鳥、獣、はうもののかたちに似た物と代えてしまいました」(ローマ書1章20―23節)。
この個所にあるように、感謝をしないことは、恐ろしい連鎖反応を起こしてしまうようです。感謝しなくなった人間は、思いがむなしくなり、心が暗くなり、最後には愚かな者となります。まさに、多くの現代人の姿そのものではないでしょうか。神から与えられた様々な恵みを正しく管理できず、浪費しています。そのために、世界各地に苦しんでいる人々が大勢いるのです。彼らは、豊かな日本に住む私たちを、どのように見ているのでしょうか。
今こそ、認識の改革が必要です。食べ物やその他の祝福を当り前なもののように見なすのではなく、神からの贈り物として感謝して、またその宝物を託されたことへの責任を自覚して、日々の生活を送ることです。経済的に恵まれた国の人々がそのような心構えを持つなら、世界は少しずつ、変わって行くはずです。