エホバの証人からキリストへ ある主婦の証し
2012.2.15女性統一協会員の訪問
私が統一協会に入教するきっかけは、5年半前の1986年6月末におとずれました。その頃、私は心を満たしてくれる真理を探していました。そして親族の不幸が続くので先祖供養のことなど考えており、真剣に神様に祈っていました。
そんなある日、一人の女の人が訪ねて来ました。3回目の訪問の時、初めてその熱意に動かされ、私の運命について、先祖、氏族の救いのお話を聞きました。生年月日と名前などで調べてきたことを話し、「神様は久子さんのことをずっと見守り、導いてきてくださったんですよ」というふうに訴えかけてきました。私はそんな言葉を素直な気持ちで信じ、聞いていました。
その時、先祖供養に、氏族のために、家庭を守るためにと印鑑46万円を勧められ、手元にはなかったけれども、ローン会社で借りることを決意して、購入してしまいました。その日にすぐ「今、とてもタイミングよく、ある有名な霊能者が大阪に来ている。こんなチャンスは二度とないから、もっと詳しく見てもらいましょう」ということで、7月16日に霊場という所へ連れて行かれました。そして「先祖の因縁を断ち切るためには、あなたは出家しなければならない。でも、もっと近道がある。それは霊界を解放する力を持つ霊石が必要である」ということで、「またお金だ!」と思ったのですが、「あなたのおじいさんが霊界から協助して、ここまで連れて来たのです」というのです。おじいさんのことは霊場に行く前、統一協会員から氏族の亡くなった人の中であなたが情のいく人は誰かと尋ねられ、「わたしはおじいさんです」と答えていたことを後で気が付いたのですが、その時には思い出しませんでした。そして霊能者と言われる人が19万円という金額を出してきましたが、これは神の出された金額だということで、その霊石である念珠を買うことになりました。そしてこれからも、主人のために先祖と井上家の代表として、勉強を続けなさいと言われました。その一週間後、お金を持って霊場へ行きました。そこでまた、「天国の“天”という字は“2人”と書くのです。ご主人様と2人で行くために頑張ってください」と言われました。
西中島のビデオセンターへ行く
2~3日後、私の家を訪問して私を誘った人に、西淀川区の西中島文化センターというビデオセンターへ連れて行かれました。そして森山操、倉原克直、本田たずという人たちの、その人生や霊界の話など40本位 のビデオを見ましたが、そのビデオを見ていくと、本当に心情に訴えかけられるのです。今思えば、ビデオの内容である神様と十字架の救いについてなどは、クリスチャンである主人と一緒に聖書と比べて話し合っておれば、早く間違いに気付いていたと思うのです。けれど結婚して1カ月位 で主人と二人で教会へ行く間もなく、洗脳されてしまった私は、「これぞ真理であり、神様がこの真理に出会わせるために色々な形を通 して導いてこられたのだ」と洗脳された頭で自分勝手に判断してしまいました。そして聖書を解明したとする「原理」というのを早く主人に伝えなくてはいけないと堅く決心したのです。
ウソの世界に生きる
ビデオ・センターの人は、「あなたの主人がクリスチャンであることは、あなたにとって使命が大きくて大変だけれど、今ご主人さんに話しても分からない、伝える「時」というのがあるので、それまではメシヤ(救い主)である文鮮明に出会うために、善なるウソ(ウソも神様に対しては罪にならない)をついてもかまわないのですよ」ということでした。でもひとまず、統一協会に行って勉強していることだけは伝えようと思い、言ったところ、大反対を受けました。でもそれは主人が何も分からないから反対するので、私に条件がないからだと、2日行、4日行と30日トレーニング、そして実践トレーニングとして保育を責任分担として与えられました。けれど思うように出来ませんでした。その後は毎週月曜日の礼拝と木曜日のみことば学習と、出来るだけ出席するようにしました。礼拝のときのピアノ伴奏も私の責任分担でした。毎日、奉仕に来られたり、お勉強、実践をしている人達をうらやましく思うほどでした。それは再臨主に出会える日が一日でも早くなるという蕩減条件の生活を信じていたからです。周りの全ての人が早くメシヤ(救い主)につながるようにサタンの思いを分別 するためにと、毎日20分~40分の祈祷をしたり、1年間は水行(お風呂で肩から水をかぶる)を続けました。そして断食もしました。
原理の実践
「毎日、実践できない分、万物で復帰すること、そして無理をすることも原理では大きな条件だ」というので、物を買って貢献するため統一協会の宝石会社が行っているアイビー展で宝石を2点(100万円分)を次々とローンで購入してしまいました。 主人復帰(伝道)のために主人を無理に絵画展に連れて行き、サタン分立数40(統一協会がしている悪魔払い)を意識していたので40万円分の絵を購入してもらいました。その時は自分だけ満足していたのです。そして今度は、氏族のメシヤ(救い人)としての責任として叔母さんに絵を見に行こうと言って誘い、百十万円の絵を買わせてしまいました。従姉妹には35万円相当の着物と友達に30万円相当の宝石を買わせたり、叔父さんには印鑑3万円分とビデオ・センターに連れて行って、コース決定(ビデオを見るための入会金のようなもの)で3万円を払わせてしまったのです。そして友人夫婦をビデオ・センターに連れて行ったりしました。
家族・親族による愛の保護と説得
このようにして、子供を連れて家を度々空ける日が続いた時、親戚 中が心配して主人と相談した結果、ついに1990年5月1日に私を保護することになったのです。
今思えば、私に必要な話し合いの場所だったのですが、その当時の私はどんなことを言われても原理的な考え方しか出来ず、人の意見を聞くことはサタンと相対することだと怯(おび)えていたので、保護された時は泣き叫んでいました。統一協会側では船田先生は反対牧師であり、サタンの中のサタンである。そしてお金によって働く牧師で非人間的で、どうしようもない悪人だなんて聞かされ、そのように思っていました。その時は、そのような「反対牧師」の言う通 り動いている家族を信じることが出来ませんでした。そして私が生涯かけてこの信仰を全うしようと確信していることをどうして理解してくれないのかと自分本位 に思って憤慨していました。
洗脳からの解放
驚いたことには、両親も兄も主人も仕事を休み、毎日、本当に根気よく一緒に聖書と原理を比べ、勉強し、話し合ってくれました。そして船田牧師と小川さん、荒木さん、他にも教会にいる人達が毎日、訪ねて来て話してくださったので、それまで、まるで閉ざされた氷のような私の心が少しずつ解かされていくような感じでした。家族と先生方はどれだけ忍耐と努力を必要としたことでしょう。このようにして、私は統一協会の原理講論の間違い、文鮮明の路程(文鮮明の半生)のでたらめさを知りました。そして私を命懸けで愛してくれる家族らを見て、初めて本当の神が臨在され導こうとしておられることを実感したのです。それが5月10日前後だと思います。親の涙を見ても、何も感じない位に心が冷えて、善悪の判断が分からなくなっていたことに改めて洗脳の恐ろしさを感じました。
このような恐ろしい事実も知らせられないままに統一協会で献身的に働いている人達に、このような事実を伝えなくてはいけないと思っています。そして私の救出のために、色々な形で協力してくださった方々のお陰で、このようにしてロボット化された私が目ざめさせて頂いたことを深く感謝しています。この御恩を一生忘れずに、私の出来る限りのことをして、御迷惑をおかけした分、償いたいと思うのです。
現在もなお、土台のない統一協会でごまかされたまま働いている人のことを思うと、いたたまれませんが、これからは統一協会の人を救うことを意識し、頑張ろうと思います。そして主人と共に聖書のお勉強をして、夫婦の絆をより一層強くし、神の前に帰りたいと願います。本当にありがとうございました。