『信仰という名の虐待からの解放』に関する書評
2020.10.12トランプ大統領の敗北を認めない「預言者たち」
2021.1.22日本で一番大きいプロテスタント教会(大和カルバリ―チャペル:会員数2500人)の牧師である大川従道師が先月、『永遠と復活』という本を出しました。「自分の牧師人生をかけてこの本を残すために原稿を書いた」と言っていますが、いわゆる「セカンドチャンス」(人が生きている間にキリストを信じなくても、死後に悔い改めの機会が与えられるとする教理)を全面的に支持する内容です。
本を書くきっかけとなったのは、2020年7月に報道された三浦春馬さんという著名な若手俳優の自殺です。実は、三浦さんは2年前に、大和カルバリ―チャペルを訪れて、約1時間半にわたり、大川従道牧師と聖書について話し合ったそうです。彼が出演することになっていた『罪と罰』という舞台の役作りのためです。大川牧師に対して、「命」と「死」と、「復活」について真剣な眼差しで質問をぶつけ、納得した様子で、帰って行かれたということですが、色々、悩み事があったのでしょう。その1年半後に、自ら命を断ってしまったのです。
三浦さんの自殺の報道を聞いた時に、大川師はショックのあまり、しばらく眠ることができなかったそうです。また、三浦さんを信仰の決心まで導くことができなかったということで、かなり自責の念にかられたということですが、その後、講壇から、「三浦春馬さんはきっとハデスで悔い改めて、イエス様を信じるようになるはずです。あんな良い青年が滅びるはずがありません。彼の救いのために祈りましょう」と語るようになってしまったのです。
『永遠と復活』を読んで、大川師の並々ならぬ決意が伝わって来ます。「この地上でイエスと出会うことがなくても、どんな死に方をしても、死後そのまますぐに地獄に行く人はいない」というメッセージを、今後「人生をかけて伝えなければならない」と述べています。多くの日本人に感動や慰めを与えるメッセージなのかも知れませんが、残念ながら、それは聖書に反するメッセージです。『セカンドチャンスは本当にあるのか』(ウィリアム・ウッド著)を参照にしていただければ幸いです。