インターネットを通じて情報を発信している欧米の元エホバの証人たちは、声をそろえて、ものみの塔協会が存続の危機に立たされていると訴えています。
その第一の理由は、厳しい経済的状況に直面していることです。発展途上国において信者数を増やしていますが、そこからの寄付金によって必要な運営費を賄うことができず、米国などの王国会館を売却して、その資金を貧しい国々の支部に回しています。
さらに、組織を悩ませている問題は、信者に対するコントロールが利かなくなっていることです。組織は依然として、厳しい情報統制を行なおうとしていますが、インターネットに流れている批判的な情報が余りにも多くて、どうしてもそれが信者の耳に入るようです。自らインターネットで検索をしなくても、学校や職場で接する未信者から、組織の児童虐待の訴訟問題等に関する話を聞いてしまいます。そして、「自分で確かめなければ」と思い、自ら組織を批判するサイトを開いてしまうのです。
元証人たちは、組織が今後も存続するためには、輸血拒否に関する教理の変更、組織を離れた人との交流を絶つという方針の撤回、また、「二人の証人のルール」の撤回が不可欠だと言っています。「二人の証人のルール」というのは、「長老から性的虐待を受けた」と訴える未成年者がいても、もう一人の証人がいなければ、長老に懲戒処置を取らない、という組織の歪んだポリシーのことです。